犬のしつけにおいて、個々の訓練や問題行動の矯正の前に、主従関係や社会化としつけの相関について整理してみました。
整理することで、自分の頭もすっきりできたかな、と思います。
また、今後も勉強して、新しいことがわかったり、誤解していた点などがあれば、修正・加筆していきたいと思います。

目次
●相関図
図に書いてみました。

また、以下の記事も参考にしてください。
主従関係について→参考記事:犬のしつけの基本1 主従関係構築の7つの心得
しつけの基本 →参考記事;犬のしつけの基本2 しつけの基本的な考え方
社会化について →参考記事:犬のしつけの基本3 『社会化』 ~しつけのもう1つの柱~
これらを見ながら以下に解説します。
●主従関係=信頼関係ができている場合
主従関係=信頼関係が土台
↓
課題行動の訓練(おすわり、お手、ふせ、待てなど)
↓
犬と飼い主のコミュニケーションが深まる
↓
主従関係=信頼関係の強化
といったコミュニケーションサイクルを回すことで、愛犬と飼い主さんとの絆を深めることができます。
こういった状況になれば、攻撃的に吠える、咬むなどの問題行動を事前に制する・ストップをかける、ということも可能になるでしょう。
●主従関係=信頼関係 ができていない場合
しかしながら、主従関係が崩れている場合は、しばしば問題行動は制御不能となり、
飼い主さん自身が噛まれる、
などの問題も発生する可能性が出てきます。
主従関係が崩れるとは、
暴力による力の支配(恐怖による支配)によって成り立っている主従関係であったり、
犬自身が飼い主さんをリーダーと認めていない主従関係逆転の状況を指します。
暴力による支配=恐怖による支配
↓
犬が常に神経質、あるいはストレスを抱えている
↓
何かをきっかけに攻撃的な問題行動を起こす
あるいは
主従関係逆転(飼い主を信用していない)
↓
犬が自分自身をリーダーだと思う
↓
飼い主は守ってくれない。自分が守るべき。
↓
常に神経質、あるいはストレスを抱えている
↓
何かをきっかけに攻撃的な問題行動を起こす
となります。
●社会化について
何かをきっかけに攻撃的な問題行動を起こす、ということですが、
この問題行動のきっかけになる主なものが警戒心、恐怖心です。
警戒心、恐怖心を抱きやすい犬は社会化ができていないと言われています。
主従関係=信頼関係 が構築できていても、
社会化できていない犬は、警戒心、恐怖心を抱きやすく、
問題行動を起こしてしまうかもしれません。
しかし普段から、課題行動習得の訓練というコミュニケーションサイクルにより、
主従関係=信頼関係 が強化されている場合、
問題行動に出ようとしたときでも、『おすわり』や『待て』のなどのコマンドで、
問題行動にブレーキをかけることができるでしょう。
問題行動にブレーキをかけることを何度も繰り返していけば、
問題行動のきっかけとなった事柄(例えば他人が近づく、他の犬を発見する)は、
警戒する必要はない、と徐々に学習し慣れていくでしょう。
信頼できる飼い主が、悠然とふるまうことで、犬も警戒心を解いていくわけです。
第2の社会化現象ともいえます。
すなわち、警戒心、恐怖心を抱く根本原因は、主従関係の構築とは関係なく、社会化できているかどうか、である
しかし、主従関係=新来関係 が強固であれば、もともとの社会化不足を飼い主がリカバリーできうる、
ということです。
これに対し、主従関係が崩れている場合、
例えば暴力による支配であれば、飼い主自身が犬にとって恐怖の対象でしょう。
主従関係が逆転している場合は、警戒心、恐怖の対象に対して、より強く恐怖を抱くでしょう。
飼い主は自分を守ってくれないのですから。
●まとめ
私自身、今回情報整理をすることで、犬の気持ちに一歩近づけたのでは、と感じています。しかし、いろいろと愛犬と日々生活していく中で、まだまだわからないこともあります。
元々7匹(今は6匹)であった我が家のわんこ達は、人に噛みつく、という問題行動は基本的には取りませんが、犬同士では特定の子が特定の場面で、他の子に噛みつくということがあるのです。
具体的には、5匹目のヨーキーの男の子が、車に乗るときに、他の犬と喧嘩をします。普段はおとなしい子なのですが、車に乗せたとたんに他の子(特に7匹目のシュナウザーの女の子)に吠えたて、時には噛みつくのです。そのときは、叱りつけるとすぐにやめるのですが、毎回そうなのです。
こうして、犬のしつけ、社会化、問題行動について整理していっても、このようにまだ原因と有効な対策ができていないことがあります。まだまだ勉強していきたいと思います。
ただ、1つ、なんとなく、嫉妬心なのでは?と考えています。このヨーキーの男の子は、大人しく甘え下手なこともあって、他の子に比べると私の愛情が不足しているのかもしれません。これが社会化が足りない、ということになるのかどうかはわかりません。今後も、いろいろ勉強して、この子の気持ちがわかるようになりたいと思います。




