せっかくトイレのしつけをしたのに、マーキングをするようになって家の中が汚れて困っている・・・。
そんなお悩みを解消できるようにマーキングの対策についてまとめてみました。

目次
マーキングとは
マーキングとは、犬が自分の縄張りを他の犬に示すための行動です。
足をあげて自分のおしっこを電柱などにかける、という犬にありがちな光景ですね。
これを家の中でするようになると、ペットシートの上でなく、家具や壁などにしてしまったりして、
家の中が汚れて困ってしまいますよね。
マーキングはなぜするの?
マーキングは、他の犬がおしっこをした後に自分のおしっこをかけて自分に匂いに置き換えることで、自分の縄張りを示そうという本能行動です。一般的にはオス犬がする行動ですね。
オス犬が成犬になり、発情し始めると、自分の縄張りを示してメス犬を呼ぼうとする本能が働きます。そうなるととマーキングを始めるわけです。
より自分の体を大きく見せるために、足をあげてできるだけ高いところにするそうですね。
だから足をあげてしまうわけです。
メス犬でも発情期になるとマレにすることがあるようです。
うちのわんこで7匹目の末っ子であるミニシュアシュナウザーのりんは女の子ですが、他の子がおしっこをする時間にはついて行って、足はあげないまでも、トイレシーツの上の他のおしっこの跡に被せてすることで、毎日満足していますw

マーキングが始まるきっかけ
犬は大人になると、マーキングが始まることがあります。生まれて半年くらいになると始めると思ってよいでしょう。マーキングが始まってしまうきっかけは次のようなものがあります。
- 散歩で発情期のメス犬に会った
- 家に来客があった
- 家に別の犬がやってきた
- 家の中に新品の家具などが入ってきた
”散歩で発情期のメス犬に会った”以外は、自分の縄張りである家の中でのことです。ようは、自分の縄張りを守ろうとするわけですね。
また、それまで家の中でマーキングをしなかったオス犬でも、”発情期のメス犬に出会う”ことで、急にマーキングを始めてしまうことがあります。人間でいえば、『色気づいた中学生』みたいな感じでしょうか(笑)。
その他のマーキングの理由
上記以外にも、マーキングの理由があることがあります。
- 飼い主の気を引きたい
- ストレス解消
といった、精神的な理由から始める場合です。
マーキングさせない対策は?
マーキングは、何よりも予防が大事です。
室内でのしつけ
まず、マーキングを覚えさせないことです。
そんなことができたら悩んでないわい、と言われるかもですが・・
まず、子犬のトイレのしつけができている場合は、元々決められた場所のペットシートの上でしてくれるわけですね。
決められた場所以外の家具などにかけ始めたら、すかさず𠮟っておしおきケージに閉じ込める、
というトイレのしつけに戻って、繰り返しましょう。ともかく、覚えさせない。。
また、いったんおしっこをかけた家具には匂いが残らないように、消臭剤できれいにしておくことも大事なポイントです。
ともかく覚えさせない。。意地でもマーキングの定着を阻止しましょう。
ただ、オス犬が足をあげておしっこをする、という行為は本能的な行為ですので、その動作そのものをやめさせることは難しいと思います。
我が家は、最大7匹のわんこ(そのうちオス犬は2匹)が家の中で過ごしてきましたが、トイレ用のシートを敷いた専用部屋がつくってあり、そこでしてくれます。
ただし、オス犬は足を上げてするので、おしっこがトイレシートの外にかかってしまう、という問題がありました。
そこで、トイレシートスペースの中に壁をつくって、壁にもトイレシートをつけておけば、そこに引っ掛けてくれるようになりました。
旅行など外に連れていったときも、トイレシートをケージの壁につけておけば、そこに向かっておしっこをしてくれて助かっています。
下の画像は、実家に移動したときにつくる、にわかトイレスペースですが、このようにスペースを囲う壁にシートをかけておけば、そこにうまくしてくれています。

散歩のときのしつけ
散歩の最中は排泄させない、というのが基本方針です。
- 散歩に行く前におしっこはさせておく。
- 散歩中は、飼い主の主導で犬を横に歩かせ、よもや電柱などに立ち止まろうとしたら、すかさず𠮟って素通りする、
- それができるように、リーダーウォークのしつけをしておく
これが、散歩における排泄のマナーだと思います。もちろん、もしもの場合を考えて、うんちの回収袋や水を入れたペットボトルも持参しましょう。
こうすればマーキングを外でする、ということも起こりません。
いったん外でマーキングすることを覚えてしまうと、家の中でもマーキング始めちゃった~、ということはよくあることらしいのです。これも意地でも予防しましょう。
でも、散歩がトイレタイム、という飼い主さんがおられるようですが、改善しましょう。非常に迷惑です。
例え、排泄の処理をするべく、糞は持ち帰り、おしっこは流すようにペットボトルを持ち歩く・・だとしても、これは最低限のマナーであって、だから散歩をトイレタイムにしてもよい、ということにはなりません。
電柱や他人の家の塀におしっこをかけた場合、例え水で流したところで、汚してしまっていることには変わりはありません。
匂いも残るでしょう。そうすると、ほかの犬もそこでマーキングをするようになってしまいます。
それがそこに住んでいる人にとってどれだけ嫌なことか。
そう考えれば、散歩中は基本的に排泄させない、散歩の前に済ませておく、ということが大事です。
それでも、どうしても排泄してしまう、ということもたまにはあるでしょう。
そのために排泄の処理のできるように準備だけは常にしておきましょう。
どんな飼い主さんも、ドライブに出かける前には、排泄はできるだけ済まさせてから車に乗せると思います。散歩も同じと考えれば、できないことではないでしょう、
マーキングを覚えてしまったときは?
家の中でマーキングをして困っている場合は次の方法をとってみましょう。
マーキングする場所を水飲み場にする
犬はトイレと食事場所を分ける習性がありますので、そこはトイレじゃないよ、と教えるわけです。
可能ならば、ご飯を食べる場所にしてもよいかもしれません。
マーキングをする場所は消臭・除菌を徹底する
匂い=マーキング場所の定着となってしまいますので、徹底的にやりましょう。
ここは、あなたの縄張りじゃないよ、と教え込むわけです。
ペットシートをマーキングする場所につけない
例えば、タンスにマーキングしてしまうので、汚れないようにペットシーツを張り付けておく人がいますが、
ここでしてもよいよ、と教えているようなものです。
去勢手術をする
本能を弱めることで、100%でないにしても一定の効果はあります。
以上の方法で対処しながら、
トイレのしつけの基本に戻って、
マーキング現場を見つけたら瞬時に𠮟る、
うまくできたら褒める、
根気よく繰り返すことです。
行動範囲を狭める
クッションにマーキングしたのを見つけて、洗ったり新品に交換したりすると、またそこにマーキングされた、
という経験のある飼い主さんもおられるでしょう。これは、自分の縄張りの中に見知らぬものがあるとマーキングしたくなってしまうのですね。
そうすると、”マーキングする場所は消臭・除菌を徹底する”という対策は逆効果、ということが起こってしまうんです。
こういう場合は、もはや縄張りを狭めるしかありません。
家の中を自由に行動できる=家の中が自分の縄張り
という状態から脱するのです。
この状態の場合、犬自身が飼い主や家を守るリーダーになっている可能性があります。リーダーである責任感から縄張りを守ろうとするんですね。
最も効果的な方法としては、自由であった状態から、”普段はハウスの中で過ごさせる”、と行動範囲を制限する、いわゆる”ハウスのしつけ”です。
かわいそう、と思われる飼い主さんもおられるかもしれませんが、犬にとって”ハウス”は、本来もっとも快適に安心して過ごせる場所です。飼い主さんに守られながら、自分は落ち着いてハウスの中にいることで、”縄張りを守らなければならない”、という警戒心を解いてやるのです。
愛犬がリーダーになって責任感を抱いている場合は、マーキングのほか様々な問題行動(人間にとっての問題行動)を起こしてしまうことが多いです。今一度、”飼い主としての心得”を確認して、愛犬が安心して頼れるリーダーになってあげましょう。
愛犬からのメッセージであることもある
あと、”その他のマーキングの理由”でも書きましたが、犬がなんらかの欲求不満をかかえていて、飼い主さんへのメッセージを出している可能性もあります。
最近、愛犬に構ってあげれてますか?
あるいは、愛犬がトイレが正しくできたとき、褒めてあげてますか?
また、散歩に全然連れていかないなど、愛犬が欲求不満になっている可能性はありませんか?
そもそも、”散歩に連れていかない”、”ご飯をきちんと与えない”のように、犬の本質的な欲求を満たしていない場合は、すぐに改善してあげましょう。
その上で、ここではトイレのしつけについて、もう少し説明をつけ加えておきます。
子犬のときはモノ覚えがよく、また、自我も芽生えていないので、短期間でしつけがうまくいったかのように見えます。
でも、成長とともに自我も芽生えて、一度できたことでも、なぜかできなくなることがあります。俗に”反抗期”と呼ばれたりするみたいですが(笑)
ですから、”正しくできたら褒めてあげる”は、成犬になっても繰り返す必要があるのです。またそれが、愛犬の望む飼い主さんとのコミュニケーションでもあります。
もちろん、必要以上に構い過ぎるのもよくありません。『待て』の訓練など、愛犬の忍耐力を強化することも必要です。
でも、普段全く相手にされず寂しい時、マーキングをしたとたんに飼い主が大騒ぎをして自分に構ってくれる、という状況であれば、当然マーキングを繰り返すようになるでしょう。
この傾向は、犬種によっても強さが異なるようです。
例えば、プードルなど、賢い犬は、すねると飼い主の嫌がることをあえてします。
不条理に叱られたとき、忙しくて構ってやれないことが続くとき、など、マーキングをするのです。
うちのトイプードルのあぷるは女の子ですが、すねたときは、あえてマーキングをしたりします。メスなのに足をあげてするんです。
叱られるをわかっていながらするのです。そこがなんとも可愛いところですがね。

また、うちのヨーキーの女の子キララは、トイレ部屋でトイレをしてリビングに戻ってくると、我々の顔を覗き込みながら、後ろ足をペンペン!と何度も後ろに蹴り出します。”おしっこしてきたよ!!”のアピールがもの凄いんですね。
なので、キララがおしっこから戻ってこのアピールをすると、他の犬たちも一斉に集まってきます。もちろん、ご褒美のおやつをお裾分けしてもらうためです(笑)。

去勢は効果あるか?デメリットはないか?
去勢することでマーキングが収まったという事例は確かにあります。
また、完全に収まらなくても、去勢しないよりは、マーキングの本能が弱まって、
しつけがしやすくなるということは多いですね。
うちは、ダックスとヨーキーの男の子ですが、2匹とも去勢する前よりは効果があったと思います。
去勢そのものは、子犬を生ませる、という目的がないようでしたら、できるだけ早くすることを推奨します。
特に女の子は早くにしたほうが、子宮ガンや乳ガンのリスクが減るほか、発情期がなくなることで体や精神的負担はあきらかに減りますので、わんこ達にとっても飼い主さんとの楽しい生活を長く続けられるのではないでしょうか。
我が家の場合
すでに我が家の事例は、いくつか書かせて頂きましたが、去勢については、早期にした子や10歳以上でした子など、いろいろです。
ただ、やはり、子犬を生ませる計画がないのでしたら、早期に去勢手術はしたほうが、体への負担を減らせるというほか、費用的にも安くなるというメリットもあります。
我が家のダックスの女の子は、11歳のときに子宮に膿がたまる病気になり、もう少しで手遅れになるところでした。
気がついたときには、すでに動けないほどにぐったりしてしまったのです。
子宮摘出の手術で命はとりとめたのですが、単なる去勢手術の倍の費用はかかってしまいました。
もっと早くにしておけば病気になって苦しい思いもすることはなかったとその時は後悔しました。
まとめ
マーキングの防止やしつけの方法について書いてみました。
まず、飼い主さん自身が、愛犬にとって頼れるリーダーであること、これができていないと、愛犬の警戒心が強くなり、縄張りを守ろうとしていまいます。飼い主さん自身の”飼い主としての心得”を見直すとともに、”ハウスのしつけ”で愛犬の縄張り意識を開放してあげましょう。
また、愛犬と飼い主さんとの主従関係が良好であっても、マーキングは本能的なことなので、してしまうこともあるでしょう。
でも、本能的なことと諦めずに、根気よく予防としつけを繰り返すことで、家の中もキレイになるのではないでしょうか?
また散歩時もマーキングを防止することで、犬が人間と社会で一緒に住みやすい環境づくりをしていきましょう。
どうしても直らない場合は、愛犬の”構ってちょうだい”メッセージかもしれません。愛犬のトイレのしつけに立ち戻って、”正しくできたら褒めてあげる”を繰り返してみましょう。
去勢は、本能の抑制という観点から、マーキング防止・抑制できるわけですが、病気の防止といった観点からもお勧めしておきます。







