『おいで』は、飼い主さんが呼びかけると、愛犬が飼い主さんのところに戻る、呼び戻し、と呼ばれるしつけです。
この呼び戻しは、愛犬の駆け出し(逃走)のときに最後の砦となる役割を果たしますので、大事な訓練ですね。
飼い主さんによっては、『来い』や『come』を使ったり、単に名前を呼ぶだけで呼び戻す、
というしつけをされている場合もあるようです。

目次
●『おいで』ができるメリット
呼び戻すことができる、というメリットは、何よりも安心感だと思います。
見当たらないときに、すぐに呼び戻せる、という状態をつくってあれば、逃走する、という極端な場面だけでなく、
ドッグランに行ったときなど、さまざまな場面で役立てることができるでしょう。
●犬のしつけ 『おいで』の教え方の基本方針
ここでのしつけとしての『おいで』は、何かほかに興味がある状態だったり、遊んでいたりする時でも、
『おいで』の声かけに応じて、飼い主さんのところで呼び戻すことができる状態を目指します。
おそらく、アイコンタクトがきちんとできるわんちゃんは、『おいで』をわざわざしつけなくとも、
ある程度飼い主さんの呼びかけに応じて呼び戻しはできるでしょう。
しかし、しつけとしてのおいでは、それよりも1ランク上の、
いかなるときでも呼び戻せる、という状態をつくることを目標にしましょう。
●犬のしつけ 『おいで』を教える基本方針
おいでを教える基本方針は、『おいで』ができたら褒める、を繰り返すことです。
『おいで』と呼ばれて飼い主さんのところに戻ったら良いことがある、
というように愛犬に思わせて定着させる、ということです。
ただし、『おいで』を教える前に、
・名前を呼ばれたらアイコンタクトをすることができる
・『おすわり』と『待て』、ができる
という状態になっていることが前提です。おすわり、待て、については、こちらの記事を参考にしてください。
『おすわり』→参考記事:犬のしつけ 『おすわり』ができるようになる簡単な方法
『待て』 →参考記事:犬のしつけ 『待て』ができるようになる簡単な方法
●犬のしつけ 『おいで』 を教える手順
<step1>『おいで』の声かけと呼び戻しのリンクを教える
(1)準備
ご褒美となるおやつを準備しましょう。
(2)おすわりをさせる
おすわり、待て の状態とします(おやつはまだ見せません)
(3)『おいで』の声かけと呼び戻しのリンク
待てのまま、犬から少し離れましょう。離れた状態から、『おいで』と声をかけます。『おいで』だけで反応しない場合は、頭に名前をつけて『〇〇、おいで』と声かけをしましょう。アイコンタクトができる子ならば、名前に反応して飼い主さんのところに来るでしょう
(4)褒める
飼い主さんのところに来たら、ご褒美のおやつをあげましょう。
(5)繰り返し定着させる
(2)~(4)を繰り返して、名前を頭につけなくとも『おいで』に反応して飼い主さんのところに来れるようにしていきましょう。
『おいで』は、できるだけ楽しそうなトーンで、良いことが待っているよ、と思わせてください。
<step2>飼い主に注目していなくても呼び戻す訓練
(1)準備
おやつとリードを準備してください。
訓練は室内でも屋外でもよいのですが、室内でもリードをしてから訓練をスタートします。
リードの長さはあまり短いものでなく、犬がある程度自由に動き回れる自由度を確保できているものがよいです。
(2)リードをして自由にさせる
リードをしたら、犬が飼い主さん以外のものに興味を示している状態になるのを待ちます。
(3)呼び戻しの声かけ
『おいで』と声かけをします。
step1で『おいで』の声かけに反応するようになってれば、呼び戻しができる確率は高いと思います。
もし反応しない場合は、リードを少し引っ張って合図を送り、興味を飼い主さんの方に向けるようにします。
(4)褒める
飼い主さんのところに戻ってきたら、ご褒美のおやつをあげましょう。
(5)繰り返し定着させる
(2)~(4)を繰り返して、定着できるようにしてください。
<step3>より遠くから呼び戻し
step2ができるようになったら、広い場所でロングリード(10m以上)をつけて、step2と同じ手順を繰り返します。
ボール投げなどで、犬が遊んで状態をつくってから『おいで』をするなど、定着を強化していきます。
どんな楽しい遊びよりも、飼い主さんのところに戻ればいいことがある、と思わせることです。
●うまくおいでができない場合、注意点
『おすわり』や『待て』よりも定着の難易度は高いものと思います。
ですので、根気よく、少しずつ、しつけの訓練をしていきましょう。
step1だけでも、1日10分づつ程度の訓練で定着に1週間かけてもよいかと思います。
また、
・普段からおやつを与え過ぎていませんか?
・普段から何もないのに撫でる、など構い過ぎていませんか?
ご褒美を与える効果を出すためにも、普段からからご褒美に飢えている状態をつくっておくことが必要です。
●我が家の場合
我が家では、現在6匹のわんこ達と一緒に暮らしていますが、夜寝る前など、最後に全員がいるかどうかの確認のときに『おいで』は重宝しています。
基本的には家の中で飼っているのですが、外庭に出ている場合もあり、以前1匹だけで戻ってきていないことに気づかずに戸締りをしてしまったことがありました。
鳴きもせずに扉の前に明け方気がつくまでずっとおすわりして待っていてくれたのですが、すごく心細い想いをさせたと反省してからは、おいでで全員集合させてから戸締りするようにしています。
でも、すぐに来てくれないときもあります。我が家もまだまだ訓練が必要ですね。

●まとめ
おいでは、いざというときに使えるコマンドです。
いつでも『おいで』ができる状態というのは、よい主従関係ができている状態だと思います。
飼い主さんに『おいで』をされたら、きっと良いことがあるはず・・そんな信頼関係を構築していきましょう。



