散歩中に吠える犬、よくある光景ですね。一番多いのが他の犬を見て吠える、次に近づいてくる人に吠える・・・。
本能だから仕方ないことなのでしょうか?
どうすれば吠えるのが収まり、快適な散歩ができるようになるのか、をまとめてみました。

目次
●犬はなぜ吠えるか?
記事:『犬の無駄吠えを直すしつけ 大きな2つの原因と対策』でも紹介したように、犬が吠える理由は大きく2つです。
・警戒吠え・・・何かに不安や警戒心を抱いて吠える
・要求吠え・・・飼い主に対して何らかの行動を求めて吠える
警戒吠えへの対策は犬の社会化の促進、要求吠えへの対策は主従関係=信頼関係の強化でした。
・社会化の促進とは、吠える対象に慣れさせることで警戒心を解くこと
・主従関係の強化とは、普段から要求吠えに屈せず、犬ではなく飼い主のペースで行動すること
となります。
また、社会化以外にも飼い主への信頼感が絶大であれば、飼い主さんが守ってくれる、
との安心感から警戒心も抱きにくくなるでしょう。
散歩中は一体、どっちの原因で吠えてるの?ということなんだと思います。
・他の犬→怖い、から吠える(警戒吠え)
・他の犬→一緒に遊びたい、から吠える(要求吠え)
一体どっち?
ちなみに、我が家のわんこ達も吠えます。
正しくは散歩中でなく、ドライブ中車の中から他の犬や子供を見つけたときに吠えるのです。
それもけたたましく、みんな(6匹全員)で。
なぜか散歩中はよっぽど他の犬が急に近づいてこない限り吠えません。
●吠える原因の区別がはっきりしない?
散歩中にけたたましく他の犬に吠えているわんちゃんは、おそらく警戒心で吠えているパターンがほとんどだと思いますが、車の中から吠える我が家のわんこ達を見ていると、いったいどっちの原因で吠えているのかわからなくなります。
車の中から子供や他の犬を見つけると、ヒンヒンと欲しい、という感じで鳴きはじめ、それがけたたましい吠えになります。
吠えている方向へ行きたい、と窓ガラスを前足でガリガリとします。
でも、いざ窓ガラスを開けて、対象の子供や犬が挨拶に来たりすると、シュンとおとなしくなります。
むしろ怖くて吠えていたのかな、という感じです。
散歩中に吠えるわんちゃん、も同じような場合が多いのではないでしょうか?

●明らかな警戒心の場合
散歩中、もちろん明らかな警戒心で吠えている場合もあります。
・吠えながら後ずさりする恐怖で逃げる姿勢
・吠えている方向へ、やもすると飛びかかろうとする警戒心から攻撃しようとする姿勢
これらの場合、吠えている対象が届く範囲に入ると噛みついてしまうかもしれません。
リードをしっかり持ってその場をやり過ごすしかないでしょう。
対策は、社会化の促進と主従関係=信頼関係の強化となります。
・社会化 →参考記事:犬のしつけの基本3 『社会化』 ~しつけのもう1つの柱~
・主従関係→参考記事:犬のしつけの基本1 主従関係構築の7つの心得
●吠えている原因がはっきりしない場合
散歩中にひたすら興奮している、ぐいぐいリードを引っ張っている犬の場合、
原因がはっきりせず吠えまくる、ということが多いように思います。
逆に、リードを引っ張らず、飼い主さんの横について歩いている、リーダーウォークのできている犬の場合、
なんだかよくわからないけれどもすぐ吠える、なんて場面はほとんどないのではないでしょうか?
●リーダーウォークの勧め
警戒心なのか要望からなのか、なんだかわからないけれど吠える犬、の場合、
そもそも興奮状態であるため、ちょっとした刺激に対して反応してしまうと考えられます。
警察犬の攻撃力を育てる訓練として、リードをつけて、届くか届かないかの状態で、吠える刺激を与え続ける、というのがあります。
どんどん興奮して、これ以上の興奮はない、という状況をつくってからリードを解放して、刺激の対象に飛び掛かる攻撃力を養うのです。
リーダーウォークをせず、ひたすら愛犬がリードを引っ張るに任せたままの飼い主さんの場合は、
このような危険な攻撃力を愛犬に育ませている可能性があるのです。
ですから、リーダーウォークで散歩できるようにトレーニングすれば、散歩中吠える、というケースがずいぶん減ることになるでしょう。
大事なことは、まず、愛犬が興奮しない状態を保つことなのです。
→参考記事:犬のしつけ 楽しく散歩をするしつけとルール
●リーダーウォークと主従関係
リーダーウォークの訓練は、おすわり、お手、などの課題行動の訓練よりも、
飼い主さんへの信頼感をより強く育てることになります。
リーダーウォークは、犬が自分自身の散歩中の欲望や好奇心を我慢して、飼い主のペースに合わせる、という訓練です。
散歩中の様々な誘惑・刺激に対して抑制的な心を育てます。
そうすることで、より強い主従関係=信頼関係が構築できるでしょう。
●それでも吠える場合
リーダーウォークができていても、吠える場面はあるかもしれません。
でも、そのときは、本当に警戒すべき危険が迫っているのかもしれません。
あるいは、単に経験したことがないだけで警戒心を抱く場面もあるでしょう。
人間も子供でも、初めて髭を伸ばしているおじさんを見て泣き出す子、というのはいるでしょう。
でも、いつしか、髭が伸びた人=怖い人ではない、ということを理解すれば、そんなこともなくなりますよね。
大事なのは、リーダーウォークができることで、興奮せずに飼い主の声や教育を受け入れる基礎・環境が整っていることなのです。
そうであれば、吠える対象が怖くないことを教える=怖くない、むしろ楽しい対象 と教えていくのが効果的です。
例えば吠えている対象の人からおやつを与えてもらう、などです。
でも、リーダーウォークのできない、散歩中ぐいぐい引っ張って興奮状態である犬に、いくら同じ教育をしても、
なかなか理解と定着は難しいでしょうね。

●まとめ
以上、結局、散歩中に吠えないようにするには、結局リーダーウォークの訓練をする、という結論に至りました。
しかし、我が家のわんこ達の、ドライブ中にけたたましく吠える、という問題の解決には、また至っていません。
まだまだ我が家も発展途上なのです。



