愛犬に『おすわり!』と言うと、体がチョン、と体を小さくして腰をおろして座ってくれる姿は、すごくかわいいですね。
『おすわり』は、課題行動のトレーニングの中では、もっとも簡単なものですが、すべての訓練の基本型となりますので、しっかり基本的な訓練方法を抑えておきましょう。
目次
犬の課題行動トレーニングの前提は飼い主さんのリーダーとしてのふるまい
犬に課題訓練にする場合、犬のしつけの基本は飼い主さんと愛犬との主従関係にあります。
主従関係とは、すなわち、飼い主と愛犬との信頼関係です。
『おすわり』などの課題訓練は、飼い主さんと愛犬とのコミュニケーションツールとして、
主従関係をより強化するのに役立ちはしますが、
前提として飼い主さんがリーダーとしてふるまう心得ができていてのことです。
主従関係については、こちらの記事を参考にしてください。きっと、何かの役に立つと思います。
→ 参考記事:犬のしつけの基本1 主従関係構築の7つの心得
犬のしつけで おすわりは命令の基本
犬に命令を出すとき、『おすわり』は全ての命令の起点となる基本となります。
『おすわり』の状態から、『待て』『ふせ』『おいで』など他の命令に移ることになる
からです。
また、おすわりができることで、
犬の問題行動にリセットをかけ、ブレーキの役目もします
ので、ぜひできるようにしておきましょう。
犬のしつけ おすわりの教え方の基本方針
おすわりを教える基本方針は、おすわりができたら褒める、を繰り返すことです。
間違っても、無理やり座らそうと強い力で押さえこんだりしてはいけません。
犬が驚いて余計に抵抗する可能性があるからです。
また、褒めることが効果を発揮するには、普段からあまり褒め慣れない、犬がじれた状態を作っておくことも大事です。
犬のしつけ おすわりを教える手順
(1)ご褒美となるおやつを準備しましょう。
おやつでなくても、おもちゃなど、その子が興味を持つもの、欲しがるものでも構いせん。
また、周りに犬の集中をそぐ物音や他の犬などのいない環境がよいでしょう。
(2)まずアイコンタクト
犬の正面に立ち、アイコンタクトを取りながら、おやつを、犬の鼻先に近づけてください。
(3)おやつで誘導して声かけ
犬の興味がおやつに集中したら、おやつを鼻先から後頭部側に少し持ち上げながら、『おすわり』と声をかけてください。
通常は、これで腰が落ちて座れるはずです。
(4)できたら褒める
無事おすわりができたら、おやつをあげて褒めてあげましょう。
できていない場合は、もう一度手順(2)に戻って何度もできるようになるまで繰り返してください。
できていないのに褒めることはしない、ことです。
(5)繰り返して定着
(1)~(4)を繰り返して、定着させていきましょう。
最初は、おやつを動かすのとおすわりの動作がリンクしていますが、
やがて『おすわり』の声かけとおすわりの動作がリンクしていくように、
おやつは見せながら徐々に動かさないようにしていきましょう。
(6)おやつなしでもできるように
おやつがなくても、アイコンタクトをしながら、『おすわり』と声をかければおすわりができるようにしましょう。
もちろん、おすわりができれば、『お利口さん』となでて褒めてあげましょう。
(7)環境を変えてもできるよいに訓練をする
他の犬がいたり、
物音がするなど、
犬の気が散るいかなる環境でもできるようにしていくことで、問題行動のブレーキにできるようにしていきましょう。
うまくおすわりができない場合の注意点
うまくいかない場合は、次のことを試してみましょう。
・おやつを見せる距離を変えてみる
・軽くおしりを押してみる(首を片手で持ちながら、もう片方の手で優しくお尻を押してあげる)
・立ち上がってしまう場合は、おやつをより後頭部の後ろのほうに持ち上げてみる
・最初に必ずアイコンタクトをきちんと取るようにしましょう。
・声かけの言葉は一定にしましょう。『おすわり』『すわれ』『シット』といろいろ混在しないように
・犬が満たされている状態(普段から何もなくても撫でてあげる、おやつを頻繁にあげる)では、うまくいかない場合があります。
ご褒美は、犬が『じらされている状態』でないと効果を表しません。
・犬にとって何かほかに気になる状況(物音がする、近くに他の犬がいるなど)では集中してトレーニングになりません。
まずは静かで犬が集中できるような環境で訓練を始めてください。
これらのように、あなたの愛犬がおすわりし易くなる方法を試してみたり、トレーニングする環境を見直したりしてみましょう。
何度か繰り返して、
腰をおろせば褒めてくれる、ということをわんこが学習すれば、すぐにできるようになりますよ。
そのためにも、褒めるべきときに褒める(普段は褒めない)ことを徹底しましょう。
褒めるべきときだけ褒めることの大切さ(愛犬になめられないために)
これは『おすわり』の訓練に限らないことです。
『命令を実行したら褒めてあげる』
(命令していないのに、おすわりをしたりお手をしたりしてきても褒めない)
これが徹底できていない飼い主さんが意外に多いんですね。
命令していないのに愛犬が自主的に『おすわり』や『お手』をしてきた場合、なぜ褒めてはいけないのか?
この理由ついては、こちらの記事を参考にしてください。
簡単に言うと、褒め方により、愛犬になめられてしまうんですね。
なめられずに、うまく主従関係の強化につなげるコツも理解できるかと思いますよ。
我が家の場合
基本的に、上記の手順で教え込みましたが、あまり苦労した覚えがありません。
また、我が家のような多頭飼い(2019年6匹と一緒に暮らしています)の場合、先住犬を見習ってすぐにできるようになる子もいたことも、あまり苦労していない理由なのかもしれません。
誰が何をしたら褒められたか?をお互いに非常によく見ています。
特に、後輩犬になるほど、その傾向が強いように思います。
まとめ
おすわりは命令の基本形ですので、ぜひともできるようにしておきましょう。
簡単だから、すぐしてくれるようになりますが、『褒め方』を間違うと形ばかりでなめられてしまいます。
『おすわり』をなめたらあかんぜよ、ということです(笑)
でもなんといっても私は、おすわりをしてくれた時の、愛犬のまなざしが、愛苦しくてたまりません。
うまく褒めながら育てあげることで、
『おすわり』をしながら、あなたを期待を込めたまなざしで見上げてくれるようになるでしょう。
だって、愛犬にとって、大好きな飼い主さんに褒めてもらえるのが至福の時間なのですから。