2020年、犬がすごく売れているようです。自粛ムードで外に出て遊びづらいというのもあるのでしょうか?
どれだけ売れているのか正確な数字を持ち合わせているわけではありませんが、近所のペットショップ数件では、犬の値段が驚くほど高くなっていて、1年前のざっと2倍以上、というイメージですね。
犬種によっては3倍くらいの価格になっているものもあって、もはやちょっとした金持ちしか買えないんじゃないか、と思ったりするわけです。
外に出にくいから家で気晴らしに犬でも飼おう・・・そんな気軽な気持ちで買うには、高すぎるので、そんな飼い主さんがいないことを願いますが、
もし暇つぶし程度の気持ちで犬を飼おういうのであれば、ちょっと待ってください。
犬を飼うのにはお金も時間も根気も必要なことを理解していますか?
ケージやベッドなどの初期費用のほか、トイレマット、ご飯代やおやつ代、予防接種、ヒラリア予防薬、など、日々必要な金額は、おそらくペットショップで教えてくれるでしょう。
でも、犬のしつけについてはどうでしょうか?
今回は、犬のしつけについて、これまで犬を飼ったことがない人によくある勘違いをあげてみました。

これは一番あるあるです。
確かに、お手やおすわりは、飼い主さんなら誰でも愛犬に教えたいですよね。
あるいは飼い主でなくても、『お手』『おすわり』と犬を見たら声をかけるのは定番です。
でも、お手やおすわりはしつけの中でいえば、ほんの一部です。
お手やおすわりができるようになったからといって、
うちの子はしつけができている・・・
なんて思っていたとしたら、とんでもない!昔の私みたいです(笑)。
でも一体犬のしつけって、どんなものがあってどこまで必要なのか?次の記事で知っておきましょう。
まず
愛情をもって接する=かわいがる
と考えている飼い主さんが多いのですが、これまた大きな勘違いだと言えるでしょう。
人間の赤ちゃんや生後1年未満の子供に与える愛情と同じように、抱きしめてあげたり、おやつをあげたり、おもちゃをあげたり・・・
そんなことでは、わがままいっぱいの愛犬に育ってしまい、気づいた頃には『こんなはずでは・・』となるでしょう。。
愛情をもって接すればなんとかなる、と似ているようですが、さらに楽観的な考え方です。
人間の子供の場合、仮に幼い頃に学習する機会に恵まれなかったとしても、やがて学校に通い出し、社会に出てことになります。
社会に出ることで、痛い思いをしたり、気づきが生まれたりして、再学習していくことができます。
しかし犬は違いますよね。飼い犬である以上、家庭での生活、飼い主さんとの生活がすべてです。
幼い頃にしつけてもらえなかったばっかりに、トイレも決まったところですることができず、飼い主から疎まれて外に繋がれたまま一生を終える・・・。
そんなかわいそうなわんこにだけは、しないようにして欲しいものです。
まず知っておいて欲しいのは、犬は想像以上に身体だけでなく心も早く育っていく、ということです。
生後4週間~13週間の間は社会化期と呼ばれ、心は成長し、その間に親犬や兄弟犬とどのように過ごしたか?そしてどれだけ外の環境に触れることができたか?
といった社会化が、その犬の心の成長を大きく左右します。
社会化が十分でなく、必要以上に警戒心を抱き、いわゆるびびりの犬に育ってしまうと、その後問題行動を起こしやすくなってしまうのです。
すなわち、心が不健康になってしまうのですね。
しかし、この大切な期間に、早期に親犬から離され、ペットショップのオリの中にずっと閉じ込められたまま過ごしてしまう犬が多いのです。
したがって、犬をペットショップから連れて帰ってきた瞬間から、しつけは始めなければなりません。
貴重な社会化期の多くを、一匹でペットショップで過ごしてしまった愛犬を、親犬に代わって育てなおし、外の空気に触れさせ、様々な社会化を経験させていく必要があるのです。
すでに社会化期を過ぎて、しつけの時期が遅くなればなるほど、健康な心に育てるのは困難になり、飼い主さん自身の根気が必要となります。
犬の社会化については、以下の記事が参考にしてください。

たしかに、プロの訓練士にあずければ、それまでしてできなかったことが一時的にできるようになります。
しかし、家庭に帰ってきて、飼い主さんのことを信頼できない場合、やがて元に戻ってしまうでしょう。
大切なことは、愛犬とともに飼い主さん自身も変わって、正しい知識をもって頼れる飼い主として犬に接することです。
飼い主としての最低限の心得については次の記事を参考にしてみてください。
私が初めて犬を飼ったのは、40年以上前のことでした、私は小学校6年生だったと思います。
犬を飼った経験のなかった我が家に、突然かわいい柴犬がやってきました。
姉の同級生の家で生まれて本来はペットショップに引き取られるはずだったのですが、生後2ヶ月弱の一番かわいい時期にケガをしたため、引き取ってもらえなくなったという経緯でした。
そのころ家の中で犬を飼う、という習慣は日本ではあまり聞いたことがなく、我が家の場合は庭に犬小屋を置いてそこに住まわせました。
夜寝るときだけは、玄関内の土間に置いた段ボールの中がベッドでした。
お手やおすわりくらいは教えましたが、主に屋外だったのでペットシーツなど決められたところでトイレをすることも教えず、庭のあちこち好きなところでする、といった感じでした。
それでも冬の寒い時期は、居間に上がり込んでストーブの前でおしりをあぶっているのが幸せそうだったのを思い出します。
散歩が大好きで、私が中学生くらいまではよく連れていきました。といっても、ともかくリードを引っ張り続ける、いわゆるガウガウ犬状態でしたね。
ともかく警戒心の強い子で、誰か来客があると、客が帰って道から見えなくなるまで吠え続け、時には遠吠えまでしていました。
その頃の私は、それが当たり前で、どこの犬もそんなものだと思っていました。
10歳の頃に癌を患い、家の中に入れてやろうとしましたが、トイレをあちこちにしてしまうので、結局は外に出してしまいました。そして冬のある朝、庭で死んでいるのが見つかりました。
ペット霊園でお墓もつくり、いっぱしの飼い主として、きちんとしてやったと思っていました。
約20年後、再び犬を飼い始めました。家内が実家で室内で犬を飼っていた経験もしつけの知識もあったので、ミニチュアダックス♂を1匹、2か月後にはダックスをもう1匹(♀)飼い始めたのです。
この子たちを室内で育てるべく、トイレのしつけやリーダーウォークなどを教え、寝るときも一緒、さらに散歩やドライブやドッグラン、ときには数泊の旅行に行くなど、かけがえのない家族となりました。
その後、さらに1頭、さらにもう1頭と、気づけば7匹のわんこ達と一緒に暮らしていました。
最初のダックス(♂)はすでにこの世にいませんが、苦しまず、最後は私の腕の中で眠るように逝ってくれました。
こうして思い返すと、昔飼っていた柴犬の子には、本当にかわいそうな育て方と死なせ方をしてしまった、と申し訳ない気持ちになります。
あの頃の私に、少しでも犬のしつけについて考えるような機会と経験があれば、と思うわけです。
我流でなく、正しいしつけの知識を身に付けてあなた自身も変わる・・・そんな投資をしてみるのもよいのではないでしょうか?あなたの愛犬とあなた自身のためにも。