犬の多頭飼いで、飼い主の心得とは何でしょうか?
その前に犬の多頭飼いでの最大のリスクって何でしょう?
・ご飯代がかかる?
・散歩に行くのが大変?
そんなことよりももっと大変なこと・・・
それは先住犬と後輩犬とが仲が悪いことではないでしょうか。
すぐ喧嘩して手がつけられない
あるいは、
ストレスで愛犬が病気になってしまう
こうなると、多頭飼いなんてしなきゃよかった・・・なーんて
後悔先に立たず
といったところですね。
わんことみんな仲良く一緒に暮らす・・・
そんな夢に描いた生活だったはずなのに・・・・
でも、飼い主の心がけ次第で、
そんなリスクなんて回避できちゃうかもしれませんよ。

目次
犬の多頭飼いで特に必要なこと まずは先住犬との主従関係
飼い主と愛犬との主従関係構築は犬のしつけの基本
これは、1匹飼育のときでも大事なしつけの基本なのですが、
実は多頭飼いになると、ずっとずっと大事になります。
逆にこれさえできていれば、
先住犬と後輩犬との仲だって、
さほどこじれることはないでしょう。
ここでいう主従関係で特に大事なのが、
『先住犬との主従関係』なんです。
飼い主と愛犬との主従関係とは
ここで、飼い主と愛犬との主従関係についておさらいしておきましょう。
ここでいう主従関係とは、
飼い主=ご主人様
愛犬=しもべ
ということではありません。
飼い主=頼りになる信頼できるリーダー
愛犬=頼りになる飼い主と行動を共にすることで安心と幸せを感じる
という関係です。
いわば、
主従関係=信頼関係
なんです。
このような関係は、
暴力で言うことをきかせたりすることで構築できるものではありません。
構築するための飼い主の心得
については当ブログでも紹介していますので
ご参考にしてください。
→参考記事:犬のしつけの基本1 主従関係構築の7つの心得
犬の多頭飼いでは なぜ主従関係の構築が必要か?
なぜ多頭飼いでは主従関係が大事なのか?
主従関係ができていない、あるいは逆転している場合を考えてみましょう。
・愛犬が飼い主を信用していない(不信感がある)
・飼い主は愛犬にとって、エサをくれて散歩に連れていってくれるシモベである
・飼い主は愛犬にとって、遊び相手となるおもちゃである
・飼い主が頼りないので、愛犬は、自分がリーダーになって、この家を守る必要があると感じている
そんなところでしょうか。
先住犬がこんな状態のところへ、
突然後輩犬がやってきました。
さてどうなるでしょう?
・見知らぬ犬が自分の縄張りに入ってきた。大変だ!自分がこの家を守らなくちゃ!
・自分のシモベである飼い主たちが、よってたかって後輩犬にかまっている→面白くない!
・自分のおもちゃのはずの飼い主が、自分の相手をせず、後輩犬の相手をしている→面白くない!
当然、先住犬は、後輩犬のことを敵対視するでしょう。
仲良くしなさい、とか言われても・・・
そもそも飼い主なんて信用できないし・・・
ということです。
この傾向は、先住犬が、1匹だけで飼い主さんと暮らした時間が長いほど、
強くなります。
飼い主さんをシモベとして独り占めしてきた時間が長いほど、ということです。
ですので、多頭飼いをする場合、
あまり時間をおかずに2匹目以降を迎える
というのもコツの1つですね。
→参考記事:わんこを多頭飼いして幸せになる方法

先住犬の優越感をうまくくすぐる
でも、主従関係=信頼関係ができている場合はどうでしょう?
この場合でも、最初は後輩犬を見て戸惑うでしょう。
自分が頼りにしている飼い主さんを取られてしまった、とショックを受けるかもしれません。
あるいは、自信をなくして、ふさぎこんでしまう場合や
体調を一時的に崩す(下痢・嘔吐や食欲不振など)場合もあるかもしれません。
ここで飼い主さんがリーダーシップを発揮してあげるのです。
後輩犬と一緒に暮らしはじめても
・常に先住犬を優先する(ご飯、おやつ、散歩 その他なんでもです)
・先住犬とだけのプライベートな時間をつくってやる
・後輩犬と仲良くすれば褒めてあげる
そうすることで、一旦ショックを受けていた先住犬でも
飼い主さんは自分のことを大事にしてくれている!
と優越感を感じて自信を取り戻すことができるのです。
これって、飼い主さんのことを信頼しているからこそ
そう感じることができるでのはないでしょうか。
実は、どの子も平等に扱われることが
先住犬にとってはつらいことなんですね。
だから、多頭飼いのコツは、あまり平等にこだわらないことなんです。
最初から兄弟のように仲良く育ちましたが、問題が発生したのは3匹目にトイプードルを迎えたときでした。2匹目を飼ってから、2年以上の月日が経ってから迎えたことで、
少し間が開き過ぎたのでしょう。先住犬のダックス2匹は、まったくトイプードルを受け入れようとしませんでした。噛みつくことはしませんでしたが、
一緒の空間に置くと激しく吠えたて、
取っ組み合いを始めるのです。
まだ子犬だったトイプードルが、当然体力負けしますので、
すぐに引き離さないと事故になるところでした。
これを何度繰り返しても、同じことが続きました。
特に、2匹目のダックスの子は、元々犬嫌いな子でしたので、
激しく攻撃しました。
そんな2匹目のダックスを私はある日叱りつけました。
『なんで仲良くできないの!』と。
彼女はそれに、すごくショックを受けたようです。
しばらくすると、彼女は原因不明の嘔吐を繰り返すようになりました。
病院に行っても、原因不明でした。
ダックスたちとトイプードルは相変わらず喧嘩するため
別の部屋に分けるようにしました。
家にいる時間の長い家内は、ダックスとトイプードルの相手を半々という感じで
していましたが、
私は仕事から帰ると、ダックスたちの相手を圧倒的に優先して一緒に過ごしてやり、
特に2匹目のダックスのことは可愛がってやるようにしました。
嘔吐を繰り返して心配だったこともありますが、
何よりも彼女の自尊心を傷つけたかもしれない、と
心配だったのです。
そんな私を見て、
彼女はすごく嬉しそうでした。
そして、体調も戻り、嘔吐もなくなるとともに
トイプードルを見ても、何も言わなくなりました。
その後、3匹は一緒に留守番もできるくらい仲良くなりました。
おやつの馬のヒズメを与えても、取り合いもせず、
1つのヒズメを一緒に同時に噛み噛みするくらいになったのです。
実は、私がダックスのことを重点的に大事にする影で、
家内はトイプードルの子をすごく大事にして、
外に1匹だけよく連れ出していました。
この子は、子犬のときから負けん気が強く、
ダックスに攻撃されて体力負けはしながらも、
一切自ら引くような姿勢は見せない子でした。
頭の良い子でしたので、
ちょっと優越感を持たせるだけで、
すごく機嫌がよくなったものです。
先住犬に優越感を持たせるとともに、
後輩犬のケアも忘れないことも大事なことなんだと思います。

まとめ
以上、我が家の事例も紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
我が家ではその後、7匹のわんこ達が仲良く暮らすほどになってくれました。
もちろん、後輩犬を迎えるたびに、
いろいろと問題は出ます。
でも、その問題に対して、
飼い主がリーダーシップを発揮すれば、
解決はできるのだと思います。
そのために、
愛犬にとって、信頼できる飼い主さんであること
それこそが、一番大事なことなんだと思います。
そして、うまく先住犬の優越感をくすぐってあげましょう。
多頭飼いのコツは・・・どの子も平等に・・・なんて考える必要はないのです。



